AKITEN

AKITEN JOURNAL
2015/11/25

空きテナントでやりたいこと Vol.1 望月成一

AKITENは7名の主要メンバーで構成されています。

デザイナーや写真家、イラストレーターなど、普段はそれぞれ異なる職業を持って活動しているため、個々人の考え方や行動も様々です。

そんなメンバーの人柄や趣味嗜好を交えつつ、AKITENのメンバーは普段どんなことを考えながら空きテナントを使っているのかを発信していくべく、”空きテナントでやってみたいこと”をテーマにメンバー1人1人のインタビューを掲載していくことにしました。

 

第1回目はメンバー最年長として、AKITENの父親的役割を果たしてくれている望月成一さんのインタビューです。

望月さんは八王子市・田町にあるMODESTEというギャラリーカフェのオーナーです。実家が工務店だったこともあり、什器の制作・店舗設計なども請け負っています。近頃ではFARMARTの運営や、八王子の店舗紹介冊子・JIMOTOの制作を手がけるなど、八王子の魅力を発信していく活動を精力的に行っています。そんな望月さんが今、“空きテナントでやりたいこと”とは・・・?

 

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空きテナントの探し方と使い方を一緒にコーディネートできたら

 

― 望月さんはこれまでAKITENやFARMARTなどの活動してきた中で、空きテナントの可能性や使い方について考える機会は多かったと思うのですが、今空きテナントでやってみたいことって、何ですか?

望月:僕が空きテナントでやりたいことは、設計デザインを含めた施工業者が物件選びの段階から関わり、店舗を作ることだね。

 

― 望月さんはお仕事でお店の店舗設計なども手掛けられていますが、そういったお仕事の中で思うことがあったのでしょうか?

望月:お店を始めようとした時、まず物件探しから始めようって考える人が多いと思う。ただ、自分の想像する事業計画に合ったテナント探しって意外と大変で、かなりの時間と労力を費やすんだよね。その原因としては、自分のイメージを不動産業者にうまく伝えきれない事や、条件に合った物件がなかなか見つからない事などが挙げられるんだけど、それでもなんとかイメージに合いそうな物件を見つけて店作りを始めようとすると、見切り発車になって後々問題になるケースが少なくないんだ。

 

― どういった問題が起こるのでしょうか?

望月:それは、物件を決めた後で、設計デザインを含めた施工業者に工事を依頼した際に専門的すぎて把握出来ない施工上の問題点などが発覚して、作りたいお店のイメージと選んだ物件が実はミスマッチだったことに気付くケースが少なからずあるんだ。この時点でその問題が発覚しても後の祭りだよね。契約を解除してまで新しい物件探しをしようとする人は滅多にいないから。

 

― 妥協して店舗を作ることになってしまうんですね。せっかく作るのなら、納得のいく店舗にしたいですよね。

望月:テナントを探そうとした場合、現時点での主流はユーザーが不動産管理者に直接アプローチするかたちだよね。まずユーザーが不動産管理者へのコンタクトを取り、店の形態や規模やイメージ、希望する諸条件等を伝える。それを受けて不動産管理者は、ユーザーが求めていると思われる物件を紹介する。そして、契約後、施工業者にデザイン設計を含めた施工を依頼し、着工へと向かう。

だけどこの流れで店づくりを進めると、上記のようなミスマッチが発生するリスクがつきまとってくるんだよ。僕の経験上だけど・・・。

 

― そのミスマッチを防ぐ為にはどうすれば良いのでしょうか?

望月:この問題点を解決する一つの方法は、設計デザインを含めた施工業者が、物件選びの段階で、店づくりのプロジェクトに参加することだと思う。そうすれば、ユーザーがイメージしているものに近く、施工費も削減できて、無駄のない物件選びが可能になるんだ。

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― 設計・施工知識のある人が物件選びから関わることで、失敗のリスクが軽減されるんですね。これは取り入れたいと思う人は多いと思います。ただ、関わる人が増える分、経費が増えるのが心配なのですがその点はいかがですか?

望月:確かに経費は余分に掛かるけれど、ミスマッチが発生した場合の経費・ロスした時間・妥協したことによる不満なんかを考えると、むしろ安いと思うんだ。

 

― 安心感を買うという、保険的な役割も担っているんですね。

望月:僕はこの仕組みで、実際に店舗を作っていきたいんだよ。可能ならば、今後の「AKITEN」の事業の一つとして組み込んでいきたいと考えているんだ。内装をはじめとして、開店後の店舗のブランディングやプロモーションも含めて、空きテナントの探し方や使い方をコーディネートしてきたいと思う。

 

― 物件選びのコンシェルジュですね。

望月:それいいね!空きテナントを使って、何をするかという質問の答えになっていないかもしれないけど、イメージと物件を合わせることの難しさや大切さ、そのための工夫を空きテナントを使ったAKITENの事業で伝えていきたいね。

 

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撮影/鈴木 竜馬