AKITEN

HOW TO

ここではAKITENがこれまで実施してきた事業を紹介しつつ、プロジェクトの運営手順について簡単に解説しています。
(もっと詳しく知りたい方は、AKITEN運営マニュアル冊子版をご覧ください。)

このサイトをきっかけに空きテナントを使った活動をはじめてみませんか?

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概要

かつては八王子の市街地にもお祭りや子供たちの遊び場などフリースペースとして使われる空き地が存在していましたが、現在ではビルや住宅が建ち並び、空き地はほぼその姿を失いました。

空き地が減少したことで地上に見える平面的な空きスペースはなくなりましたが空きテナントは数を増し、立体的に広がる空きスペースは日々その面積を広げています。
現在、空きテナントの増加は社会問題として取り上げられるようになり、行政、民間が積極的に空きテナント対策を実施するようになりました。

商店街において空きテナントが増えると、そこに来ていた客が商店街に足を運ばなくなることから近隣のテナントの客数も減少してしまいます。空きテナントが増えれば増えるほど、商店街全体に来る客数が減っていき、更なる閉店、空きテナントの増加を招いてしまいます。

そこで空きテナントをかつての空き地のようなフリースペースとして活用し、アートギャラリーやマルシェ、ワークショップなど、人々が集まるコンテンツを持ち込むことで、空きテナントの増加を食い止めつつ、地域の独自性を持った空間を作れないかと考え、AKITENのプロジェクトがスタートしました。

空きテナントには前の借主が使用したままの居抜きのものや、スケルトンと呼ばれる内装や間仕切壁、設備のない、骨組みが見える状態のものなど様々なテナントがあります。
きれいな状態で残っている物件もあれば、劣化した状態で残っている物件も多くあり、AKITENでは空間の形状を問わず様々な空きテナントをアートやデザインの力を効果的に使いながら活用しています。

汚れや構造物の残った居抜きのテナントであっても、アーティストはその空間を面白いと感じて活かすことができますし、デザイナーはその空間をデザインで彩ることができます。
また、空きテナントを空き地のように活用するという「気づき」を広める点でも、彼らはその力を発揮してくれます。

空きテナントはその存在が商店街の衰退や地域自治脆弱化の原因となってしまうことからネガティブな存在として捉えられがちですが、AKITENにとって空きテナントは、創造力を発揮し、地域の魅力を発信することができる貴重な空間です。
そして、その空間の魅力をアーティスト、デザイナーの力を借りて引き出していくことで、人が集まり、AKITENが使用した空きテナントには入居者が入るようになっていきました。

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AKITENのしくみ

空きテナント負のスパイラル 閉店が客足の減少を招き、客足の減少が閉店を招くという負のスパイラルが発生してしまう。
AKITEN効果 空きテナントが増えても商店街に来る客数が減らないため、負のスパイラルに歯止めをかけることができる。

 

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AKITENの流れ

1. 企画書を作ろう

プロジェクトを始めるためには、プロジェクトの目的・目標・スコープ(対象範囲)を決める必要があります。
それらを明確にした上で、プロジェクトの5W2H(何を、何のために、いつ・どこで・だれが・どうやって、いくらで)を決め、企画書を作成します。

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2. 予算を立てよう

予算を立てる際には、プロジェクトに必要な全ての作業・資源を「コスト」として考える必要があります。
事務局の運営費や、宣伝費、事業の経費など、必要となる支出と収益を予測し、予算を立てます。

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3. スケジュールを立てよう

企画書に沿ってプロジェクトの目標を達成するためにスケジュールを作成します。
スケジュールは月・週・日単位で作成し、最終的には1日ごとの個人の作業レベルにまで落とし込みます。

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4. チームを作ろう

プロジェクトを遂行するために必要なプロジェクトチームを作ります。
メンバーが固まったら、それぞれの役割や責任、関係性を定め、それらが明確になるようにします。
チームを効率的に運営していくためには、コミュニケーションを円滑に進めることが大切です。
プロジェクトを開始する前に意思決定や進捗報告、情報共有など、コミュニケーションのルートや方法、タイミングなどを決めておきます。

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5. テナントを探そう

一口に空きテナントといっても、広さ、場所、利用可能期間など、さまざまな条件があり、希望にあった物件を探すのは簡単ではありません。
突然テナントオーナーさんを訪ねて、「テナントを無料で貸して下さい。」と依頼しても、簡単には貸してもらえないでしょう。
協力してもらうためには、企画書はもちろんのこと、オーナーや協力者に対してどのようなメリットを提供できるか考え、伝えることが大切です。
テナントを探す際に、当サイト内のMATCHINGページを活用してみましょう。

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6. 告知しよう

企画が固まったら、告知をします。
いつ、どこで、何をする企画なのか?をいかに分かりやすくするかが、告知における重要なポイントです。
何を告知するかが決まったら、事業の内容、規模、ターゲット設定、予算などを考慮して使用する媒体を選定し、告知計画を立てます。

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7. 運営をしよう

【開催前】

開催期間中、誰が、いつ、どこで、何をするかのタイムスケジュールを作成します。
各会場で必要となる備品なども記載しておきます。
会場設営では、作品、展示物、商品の搬入のスケジュール、搬入手段の確認や、各会場の使用ルール (搬入方法・時間、電気・上下水道、ゴミ等)を共有し、運営側で用意する什器や機材等の設置、作品、展示物、商品の搬入を実施します。
看板等のサインの用意にも気を配りましょう。
期間中の収入・支出の管理、精算ルールを共有しておくことも大切です。

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7. 運営をしよう

【開催中】

開催日までに開催期間中の運営マニュアル(受付、接客、鍵の管理等)、緊急時の連絡フロー、タイムスケジュール等を、運営メンバーに共有しておきます。
開催中は各会場を巡回し、不足品の補充や、運営状況、問題点等を共有し、改善点を検討しましょう。
急な取材に備えて、取材担当者、原稿などを準備しておくことも必要です。
1日の終わりには記名帳やアンケートなどで来場者の情報を収集し、翌日への業務の引き継ぎをします。

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7. 運営をしよう

【開催後】

作品、展示物、商品の搬出のスケジュール、搬出手段を予め搬出計画としてまとめておき、スムーズに搬出できるようにします。
会場を使用前の状態に戻し(正しく戻せる様、使用前に写真を撮っておくと良いでしょう。)、作品、什器、テナント等に損傷がないか確認します。
テナントを使用前よりきれいにすることを心掛けましょう。

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8. リスクに備えよう

プロジェクトは常にさまざまなリスクの脅威にさらされます。
プロジェクトを確実に成功に導くためには、発生の可能性のあるリスクとその大きさを検討し、問題が発生しない様に事前にリスクを解消しておくことや、問題が発生した場合の損失を最小限にする対策が求められます。
すべてのリスクへの対応が難しい場合は、リスクの大きさを考え、対応すべきリスクの優先度を決定します。

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9. 記録を残そう

開催期間中の様子や来場者の声を、プロジェクト終了後の報告会や次回の事業開催時の告知素材として使用するために、記録して残しておきます。
記録漏れがないように、記録する目的、用途はなにか?何を、いつ、どこで、どのように、どの程度、記録するのか?文書、写真、映像など、どのメディアで記録するか?誰が記録するか?など、記録項目を事前に検討しておくことが大切です。

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10. 報告会を開こう

プロジェクトを終えたら報告会を開き、プロジェクトの協力者やステークホルダーに対してプロジェクトの成果を報告します。
報告事項には、目標に対する達成度、来場者数、収入と支出、取材実績、来場者や出展者の反応、今後の展開など様々なものがありますが、プロジェクトの開催前に検討しておくことで、報告対象が求める内容を漏れなく報告できるようにします。

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